第三回ぶらりジオの旅 ~寒風山編Part2~

こんにちは、コンバインイクタです????
今回も前回に引き続き、寒風山を見て回ります。今回は回転展望台の中!

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????入り口で入場券を購入していざ・・・
ちなみに入場料は大人・・・550円、小・中・高生が270円になっています。

展望台までの道中には、ジオパークの紹介や男鹿半島の歴史が紹介されています。
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????これはジオの紹介コーナー。
寒風山周辺のスポットの紹介もあります!なので、まず寒風山に来てから他の場所を見ていくのもアリですね????

次の階には男鹿の歴史が紹介されています。
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????こちらは昔、男鹿の人たちが漁などで使っていた道具や防寒具。
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????これは私の最推し武将親子!
脇本城の特設コーナーは、男鹿市ジオパーク学習センターにもあります。

ここからは安東愛季と実季の話を少し。

 

時は乱世。「北天の斗星」と呼ばれた愛季は15歳で家督を継ぎ、檜山(能代)湊(土崎)の安東氏を統一した功績を持つ方です。能代・土崎という港を確保し、北出羽(秋田)は大きな港町となりました。その過程で、上記の年表の通り脇本城を建築しています。
織田信長とも親交深く、鷹やラッコの皮を贈るなどして従五位上侍従にまで上り詰めました。信長の死後は豊臣秀吉に取り入り、最盛期を築きあげました。
愛季は戦国時代まっただ中の人間。色々な戦をしてきました。その中でも、私が好きな大浦(津軽)為信とも戦っています。為信公にまで話を広げると収集がつかなくなってしまうので割愛しますが、この津軽為信も相当な喧嘩っ早さやり手でまさに「戦国時代の下剋上男」といった人でした。津軽侵攻を目論んでいた愛季を負かしています。
そんなTHE・戦国武将といった愛季でしたが、人生とはわからないものです。角館城の城主・戸沢氏との戦中に大病を患い、密かに脇本城へ戻り息を引き取りました。

そうして愛季が亡くなり、跡継ぎとなったのが弱冠12歳の実季でした。実季には兄がいましたが病死しており、次男の彼にお鉢が回ってきたのです。そんな実季が安東家の跡を継ぐのを不満にした従兄・通季は、実季に対して反乱を起こします(湊合戦)。
この合戦は長きに渡り、実季は実に5ヶ月以上も檜山城に籠城することとなりますが、これは実季方の粘り勝ちで終わります。通季は八郎湖へと逃げ、ぐるーっと回って南部(青森県)氏の元へ降りました。
この後、秀吉の出した惣無事令※豊臣秀吉が大名間の私闘を禁じた法令)に違反した実季はキツいペナルティを受けることとなりました。

さて、年月は流れて1600年。誰もが知る関ヶ原の戦いが起こります。実季はどちらかといえば西軍(石田三成方)との親交がありましたが、日ノ本では圧倒的に徳川家の風が吹いています。そんな実季は家臣からの意見もあり、東軍につくこととなりました。
東北の地では最上義光(山形)と上杉景勝(新潟)の戦いが起きており、もちろん東軍かつ近隣の実季にも最上から援軍要請がかかります。この戦は関ヶ原と同様東軍の勝利で終わりました。
しかし、最上義光は家康宛に「安東は西軍と通じていた」という告発をし、家康もまた石田三成と密にしていた実季に不信感を抱きます。実季は必死に弁明をし、結局裁判沙汰になりましたが、裁判官は全員最上の味方。そんな結果の決まり切った実季はあえなく敗訴というわけです。

裁判の結果秋田の領地は取り上げられ、当時常陸宍戸(茨城)におり西軍方へついていた佐竹氏との交換で実季は転封となりました。そして実季は安東・秋田の姓も、先祖代々の土地も全てを奪われ、秋田安東氏は終焉を迎えました。

ここからは蛇足となりますが、そんな不遇な実季はすっかり幕府に対して拗ねてしまい、朝熊(三重県伊勢市)へ蟄居(※家にこもって謹慎させる刑罰の一種)させられています。その他には正妻との子と側室との子で扱いの差が激しく、正妻との子との不仲から・・・という理由もありますが・・・。

その際の有名なエピソードとして、すっかりボケてしまった実季は父・愛季と自分を模した人形を可愛がっていたという話がありますが、私はそうではなかったんじゃないか、と思います。
しっかりと安東家の家系図を書いて残していますし、そしてなにより、SNSでもキャラクターのぬいぐるみを愛する方というのは見かけますよね。私自身、出かけるときに推しのぬいぐるみを持って「ぬい撮り」をしています。それと同じことなのでは?というのが私の考えです。

彼は歌・書・絵・茶道、そして薬草にも詳しかったとされています。万金丹の一つである「秋田教方万金丹」の作り方を教えたという話もあります。多才な実季でしたが、結局彼の代で秋田安東氏は滅亡してしまいました(安東氏自体はその後も続いています)。政治力に長けていなかったために、最後は産まれ育った秋田を追われ、およそ1000㎞も離れた土地で生涯を終えた彼のことが私はとても好きです。
エピソードだけをかいつまんで聞くと、老人の孤独な生活・・・と思われがちな実季の老後ですが、決してそうではなかったと思います。上述したように家系図を書いたり、気が乗れば絵を描いてみたり、歌を詠んだりして割とスローライフを送っていたんじゃないでしょうか。ちょっと楽しそう。
それでもやっぱり故郷や父親を思い出しては悲しんでいたのだろう、と思うと胸にくるものがありますよね。そういう人間性が面白く、惹かれてしまいます。

実季が朝熊で使っていた食器には、全てツバメが描かれていたと言われています。
「ツバメの帰巣に想いを寄せて、どれ程か秋田に帰りたかったことか」・・・そう侍女は日記に記しています。
私も一度は秋田を出ましたが、再び戻ってきました。彼の為し得なかったことをしているのだと、胸が痛みます。

 

・・・と、全く寒風山と関係のない話が8割を占めてしまいましたね!オタクは話し出すと長い。オタク、そういうところ本当にダメ。しかもジオに関係ある?みたいなね????

でもこれで、安東氏という大名のことがもっともっと広まってくれないかな~なんて思ってしまいます。
回転展望台から撮ったパノラマ写真が重すぎて掲載出来ないから安東氏でお茶を濁したというわけじゃないですよ!ええ!決して!!

次回は寒風山周辺の紹介です。やっと寒風山編最終回。

 

へば、まんず????

Category : ブログ 日記

いろんなことがあったね男鹿半島・大潟ジオパークの春

こんにちはー(・ω・)ノ たかみーです⛄????✨

なかなかブログが書けなくて申し訳ございません!

私がブログを書けなかった間にも男鹿半島・大潟ジオパークではいろんなことがありましたのでダイジェストでご紹介します*。☆ヾ(´∀`)(´∀`)ノ☆。*゚

4/29(金)~4/30(土) ハブアゴージャンボリー ブース出展

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男鹿駅前に2021年から新しくできたハブアゴー広場のイベントに男鹿半島・大潟ジオパークもブースを出させていただきました゚*。☆ヾ(´∀`)(´∀`)ノ☆。*゚

イベント初日はあいにくの雨で寒かったのですが、美味しい食べ物もたくさんで音楽イベントもありワークショップもありで大盛況でした☆

男鹿市内外からたくさんの方が来てくれました!それだけハブアゴー広場が注目されているんですね!

ジオのブースでは、何が出るかわくわくドキドキのジオガチャ(1回100円)が子どもたちに大好評でした!

中には16回もガチャを回してくれた少年も!大きくなったらジオパークで一緒に働こうね゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚

 

ワンコインガイドが今年も始まりました!

昨年に引き続き、今年も寒風山と男鹿水族館GAO周辺でワンコインガイドが始まりました!

景色見て「わぁ~きれーい」だけで終わるなんてもったいない!

ガイドさんのわかりやすい解説があると見方がガラッと変わるかも!?

寒風山回転展望台と男鹿水族館GAOで認定ガイドがお待ちしております!

ワンコインガイドについてはこちら

もちろん通常のガイド依頼は随時受付中です!ご希望のお日にちの1週間前までお申し込みください。

ガイドの会ガイド情報

 

そのほかにも男鹿半島・大潟ジオパークは一昨年、昨年と泣く泣く中止になった夏のイベントに向けて準備中のほか、来月から始まるガイド養成講座の準備だったりみんな毎日がんばっています!

イベントの詳細はホームページのイベント情報にアップ予定ですのでちょこちょこチェックしてみてください☆

 

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ジオパーク学習センターの「寒風山の植物」展示と「脇本城跡」展示から戦国武将の心情を探る

男鹿市ジオパーク学習センターのジオ太郎です。!(^^)!

今回は、ジオパーク学習センターに4月に新設された「寒風山の植物」展示と、センターに隣接されている続日本100名城に認定された「脇本城跡」展示を交互に見ながら、半自然草原の植物の魅力と戦国武将の心情に少し触れてみたいと思います。IMG_1895 ▲写真は、ジオパーク学習センターに新設された「寒風山の植物」展示の一部です。この中にクマガイソウの写真があります。この植物の和名の原点をまずは探ってみましょう。IMG_1894 ▲続いてセンターに隣接する「脇本城跡」展示を見てみましょう。展示物の中に手紙があります。よく見ると「六月二日・・信長」とあります。これは何を意味するのか考えてみましょう。

さて、ここからが本題です。クマガイソウの名称の意味と併せて、信長が好んで自ら舞っていたと伝えられる演目は何だったでしょう。

植物名を通して戦国時代に生きた信長や当時の武将の心に少し触れることができましたか。詳しくは、ジオパーク学習センターで聞いてね!!

※ジオパーク学習センターを利用した生涯教育を目的とした団体の申し込みが増えてきました。学習センターでは、ジオパークを生かした学校教育支援や生涯教育を行っていますので、お気軽にご相談ください。団体の場合はご予約をお願いします。

Category : お知らせ

能代東中学校2年生のみなさんがジオパーク学習センターなどで郷土の偉人「渡部斧松」の足跡をたどる

男鹿市ジオパーク学習センターのジオ太郎です。!(^^)!

今回は、能代東中学校2年生のみなさんが、江戸時代の郷土の偉人・渡部斧松の足跡などを学ぶため来館されましたので一部紹介します。IMG_1852 ▲ジオパーク学習センターの展示物を参考にしながら能代出身の偉人・渡部斧松の業績について調べています。

IMG_1847 ▲こちらは、ジオパーク学習センターに隣接した脇本城関連展示場を見学しながら展示物から戦国時代の能代と男鹿に関連した武将の歴史を調べているところです。その武将とは、安東愛季(ちかすえ)です!!
IMG_1849 ▲自由時間には、男鹿半島の地層のでき方や男鹿に飛来した広域火山灰も見学していただきました。また当日、ジオパーク学習センターに来館する前後には実際に現地見学をして偉人の足跡を辿りました。

先人たちの知恵と努力が今の秋田の基礎をつくっているんですね。

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第三回ぶらりジオの旅 ~寒風山編Part1~

みなさんこんにちは、コンバインイクタです????
第三回ぶらジオは干拓博物館からやや南西、寒風山に登ってきました!
寒風山周辺は見所&ジオサイトが多いので3回に分けて紹介していきたいと思います♪

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IMG_3830????まずは石碑と男鹿方面から
寒風山が火山だということはこの男鹿半島・大潟ジオパークでの普及活動で知られていることかと思います。私自身も小学校時代、理科の授業で習ったことを記憶しています(確か・・・)
2枚目右側の少し浅めの開けた場所が第一火口、右に比べて深くなっている左側が第二火口です。写真では見切れていますがこの更に左に妻恋峠火口があります。
ここが噴火したら・・・と思うとめちゃくちゃ怖いですね????

ちなみに、1810年(文化7年)寒風山で噴火したという記録が残されていたという話があります。こちらの真偽は本ジオパークのアドバイザーである林信太郎先生が論文を書かれていて、当時男鹿に滞在していた菅江真澄の日記に記録がないことから虚偽の記録である、とされています。
同時期に男鹿で地震が起こりましたが、そちらの被害報告や前述の菅江真澄の日記、また被災者の証言でも噴火のことは一切書かれておらず、寒風山の噴火被害というのは藩主・佐竹義和から江戸幕府に送られたものだけに書かれていました。
そのことから、1810年の噴火活動は創作だと林先生の論文には書かれています。

ただ、地震は本当に起こったことであり、寒風山にもその地震塚として供養碑等が並んでいます。地震以外にも飢饉の慰霊碑もあります。今回は時間の都合上写真を撮ることは叶いませんでしたが、これらを忘れないために一度足を運んでみるのはいかがでしょうか?

 

IMG_3824????続いて反対側では、男鹿市払戸方面と大潟村を望むことができます。
今の時期、田んぼは田植えの準備に取りかかっていて、代掻き(田起こしが完了した田んぼに水を張って、土をさらに細かく砕き、丁寧にかき混ぜて、土の表面を平らにする作業)をしています。
そのため、田んぼに張られた水に空が綺麗に反射していますね????

 

IMG_3847????見上げると、パラグライダーが数基飛んでいるのが見えました????
寒風山はなだらかな、いわゆる芝生山のためパラグライダーが盛んです。今はやってもいいのかわかりませんが、イクタが幼少のみぎりは段ボールをそり代わりにそのなだらかな坂を滑り降りたこともあります????

 

寒風山のパラグライダーといえば、先日こんなニュースがありました。
大潟村の72歳、パラグライダーで山脈越え太平洋岸へ
秋田の新聞・秋田魁新報に掲載されたものです。大潟村に住んでおり、日本パラグライダー協会の会長、また寒風山パラグライダー教室の校長を務める小野寺さんが正反対の太平洋側・岩手県久慈市まで飛行したというニュースです。
生身で高度数千メートルまで上がるってすごくないですか!?????
私の場合、飛行機ですら苦手でめったに乗ることはないのに、
生身かつパラグライダーという自分で操作しなければ墜落してしまうもので反対側まで・・・さすがですね✨

そんなわけで、寒風山編Part1でした。次回は回転展望台の中に入っていきます!

 

へば、まんず????

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ジオパーク学習センターで「地球の環境」について考えてみよう!!

男鹿市ジオパーク学習センターのジオ太郎です。!(^^)!

GW期間中は全国からジオパーク学習センターに多数の皆様にご来館いただきありがとうございました。

さて、今回は「地球の環境」について楽しく学べるジオパーク学習センターの体験学習教材などを紹介します。

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▲こちらは依然にも紹介した「地球温暖化と海洋の関係」を考える実験ですね。
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▲こちらも依然紹介した「海洋の酸性化」の実験です。海の生物への影響を考えます。

IMG_1824 ▲ジオパーク学習センターでは、男鹿の「海洋のマイクロプラスチックごみ」についてミニ展示していますのでご覧ください。IMG_1814 ▲こちらは、「日本海側地域の豪雪」の理由について紹介した教材です。IMG_1816 ▲こちらは日本の梅雨について紹介した教材です。ダイナミックな大地の動きが見えてきます。IMG_1823 ▲こちらは「青空のできかた」を考える実験です。併せて夕陽についても考えてみましょう。

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▲こちらは「光の性質」を探る実験です。この写真からどんなことがわかりますか。

さあ、ジオパーク学習センターで、「大地のつくりと変化」とともに「地球の環境」についても楽しく学んでみませんか。

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植物について学ぼう!!男鹿市ジオパーク学習センターに「寒風山の植物」コーナーが誕生!!

男鹿市ジオパーク学習センターのジオ太郎です。!(^^)!

GW、みなさんはどこか出かけましたか!?

ジオパーク学習センターには、4月に、貴重な半自然草原とそこに自生する多様な植物の魅力が楽しめる「寒風山の植物」コーナーが誕生しました。植物標本も展示されていますのでご覧ください。
IMG_1739 ▲半自然草原は、全国でもなかなか見ることができなくなった貴重な草原です。寒風山の半自然草原には、多様な植物が自生しています。みんなで大事に保護していきましょう。その魅力をお楽しみください。

併せてジオパーク学習センターで、植物の生き方や進化について学んでみませんか!!IMG_1795▲こちらは「花のつくり」を学ぶジオパーク学習センターの教材です。写真はサクラの花の断面です。「子房」はどこにありますか。花弁、めしべ、おしべ、ガク片など確認してみましょう。学校教育や生涯教育に活用できます。

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▲「あら、ふしぎ??二色のチューリップ」・・。こちらは、以前、植物の生き方を観察するために、ある実験をしたものです。どうすると、こうなるのか考えてみましょう。

IMG_1811 ▲こちらも学習センターの教材です。タンポポを紫外線フィルターで撮影してみました。右の写真です。中心部が赤く見えます。これについてもみんなで考えてみましょう。

植物は、「独立栄養生物」です。私たち「従属栄養生物」と違う特徴や進化について体験学習などを通して楽しく学んでみませんか。学校教育や生涯教育、SDGs(持続可能な開発目標)の学びにもつながります。

 

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