試験堤防

こんにちは。さきいかです🦑

暑い日が続いていますね。
お盆期間中は干拓博物館にたくさんのお客様がいらっしゃいました♪
大潟村の成り立ちについて熱心にきかれる方もいましたよ。

今日は、試験堤防についてです。

八郎潟干拓工事のスタートは堤防を築くことです。
八郎潟の軟弱な地盤に堤防を築くには基礎となる部分を造る必要がありました。
どうしたものかと考えた結果、3つの案が挙げられました↓
①サンドベッド工法…軟弱地盤上に透水性の高い砂や砂礫を敷くことで、地下水の排水を行い、地盤の強度を高める工法。
②砂置き換え工法…軟弱地盤上の全部または一部を砂に置き換える工法。
③サンドパイル工法…地中に直径30~50㎝、高さ10mほどの砂の柱を多数設置して、盛り土などの荷重により排水を促す工法。

このうち①と②の工法が選ばれ、どちらがより優れているかを検証するために、250mずつ試験的に堤防を造り実験が行われました。

試験堤防は正面堤防のあたりに造られました。
正面堤防の場所は、博物館にある、はぎ取り標本を採取したこちらの付近です。

採取したはぎ取り標本を見てみると、ヤマトシジミが含まれている部分から下は粘土層です。
(白い点がヤマトシジミだよ🐚)

この粘土層の場所に試験堤防を築堤し、沈下や隆起の観測、亀裂の発達状況の観測などを行いました。

こちらが観測の様子です↓

この試験堤防の実験を受けて、沈下速度は緩速であるというデータが導き出され、昭和34年に中央・南部両干拓地の堤防工事がスタートしたわけです☺

ちなみに、実際の堤防は①・②どちらの工法で築堤されたかというと、両方採用されています。
しかし②の工法がほとんどで、正面・東部・西部の築堤に取り入れられたのに対して、①は正面堤防付近に500メートルほどのみこの工法が取り入れられました。

干拓博物館には堤防の造り方をイラストを交えて紹介しているコーナーもありますので、ぜひ見てみてください♪

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