3月6日(日)、大潟村で毎年恒例の『野鳥観察会』が開催されました。
大潟村へ飛来する渡り鳥を間近で見ようと、村内外から約40人が参加しました。
当日は日本雁を保護する会の会長、呉地正行氏が仙台から講師として来村。
出発前に渡り鳥の生態やガン類の保護の取り組みなどをお話して下さいました。
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バスで移動すると、早速シジュウカラガンの群れを見つけました。
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かつては日本にも多く飛来したシジュウカラガンですが、繁殖地の島々に毛皮目的のキツネが大量に持ち込まれたことにより、近年は飛来数が激減。
1980年頃は日本ではほとんど見られなくなっていました。
そこで仙台の八木山動物園や日本ガンを保護する会(会長:呉地氏)が米国から9羽を譲り受けて繁殖事業を開始。
1995年にはロシアと共同で千島列島で放鳥を開始しました。
その後日本への飛来数は増え続け、昨年からは1000羽を超えるシジュウカラガンの飛来が確認されています。
多くの人の手によって絶滅の危機から脱したシジュウカラガンが見られて、みなさんとても喜んでいました。
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さて、次の目的は、こちらも滅多に見られない「ハクガン」。
わざわざ県外から見に来る方もいる人気の鳥ですが、大潟村でも必ず見られるというわけではありません。
今回も終了間際となってようやく・・・
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見つけることができました!その数約140羽!
暖かくなってきたので、数日中には大潟村から飛び立ってしまうでしょう。
最後の勇姿を見ることができました。本当にラッキーです。
ちなみに、みなさんこちらの鳥は知っていますか?
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知っている方はかなりの男鹿半島・大潟ジオパーク上級者!
答えは「オオヒシクイ」、昨年ジオカードとして登場した、大潟村を代表する渡り鳥です。
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干拓地・大潟村に渡り鳥がたくさん飛来するのは、冬場にエサが豊富に有るためです。
広大な農地に残された落ち穂を目当てに、毎年数十万羽の渡り鳥がやってきます。
大潟村は日本有数の(呉地氏いわく日本一の)渡り鳥の中継、越冬地なのです。
「大地(ジオ)の恵み」を受けているのは人間だけではないんですね。
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午後からは干拓博物館で親子向けの工作教室が行われました。
題して「北へ向かえ!バードモビール作り」
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冬の渡り鳥らしく、吊すと必ず北を向いてしまう、不思議な鳥ができあがります。
(強力な小型磁石のおかげです)
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子どもから大人まで、大満足の1日でした。
大潟村の渡り鳥についてもっと知りたい方はこちらへどうぞ → 大潟村の渡り鳥(EAAF)